六代豊助作 朱釉筒楽茶碗
※ブログ勉強部屋・「郷土の焼き物-豊楽焼・五代、六代」よりピックアップ、加筆修正版
※2026.2.24(画像追加、文章修正)

黒楽朱釉筒茶碗
豊楽焼・豊助(六代)
朱釉
楽焼の釉薬は大きく分けて「赤楽」と「黒楽」に分けられますが、こちらの茶碗は分類上は「黒楽」の一種。
見た目は全面が赤く見えるので、「赤楽ではないの?」と思われるかもしれませんね。
こちらは朱釉(しゅぐすり)という「黒楽」の技法の一種です。
京都の樂家でも用いられる技法で、黒い釉薬の中、一部に赤い色が出ているものが多いですが…こちらはほぼ全面に朱の色が発色しているものです。

高さ約11cm、径は約9cm、比較対象がないと、なんだかただのの湯呑っぽく見えてしまいますが…。寒さ厳しい季節に、筒茶碗で出されるお茶は何よりのご馳走。
楽茶碗の「温まりやすく、冷めにくい」という特徴を、最大限に活かす形。たっぷりの温かいお茶を、ゆっくり時間をかけて楽しめます。
綺麗に溶けた釉薬は、独特の光沢と表面に凹凸があり、薄暗い茶室の中で見ると、かなり印象が変わります。光の加減で、赤く見えたり、真っ黒にも見える、不思議な魅力。よーく見ると非常に細かい黒と朱のモザイクになっているのです。

六代豊助の冴える業
胴をほんの少し、くびれさせて、手の収まりのよい形をしています。
高台内は巴の箆彫りとなっており、箆遣いに迷いが無く、この兜巾の立ちが非常に冴えています。
高台脇に梅花形の「豊楽」小印があります。高台まで釉薬がたっぷりかけられているので、印の姿が非常にわかりにくいですが、確かにこれは六代豊助の印。
六代はいくつかのタイプの印銘が知られており、この梅花以外にも、行書「豊楽」、角に横「豊楽」などがあります。
六代豊助の共箱もついており、「六十八翁」とあり、大正5年(1916)の最晩年の箱書だと分かります。







