六代豊助作 朱薬筒楽茶碗
※ブログ勉強部屋・「郷土の焼き物-豊楽焼・五代、六代」よりピックアップ、加筆修正版
朱薬
いわゆる「赤楽」とは違う手の楽茶碗です。朱薬というと、黒い釉薬にほんのりの赤い色が出ているものが多いですが、こちらはほぼ全面に朱の色が発色しているものです。
高さ約11cm、径は約9cm、比較対象がないと、なんだかただのの湯呑っぽく見えてしまいますが…。これから寒くなる季節、筒茶碗で出されるお茶は何よりのご馳走。
一見、黒っぽい赤のように見えますが、よーく見ると非常に細かい黒と朱のモザイクになっているのです。
手捻りゆえの収まりのいい形
胴をほんの少し、くびれさせて、手の収まりのよい形をしています。釉薬もしっかり溶けて、しっとりとした手触り。
高台脇に梅花形の「豊楽」小印があります。高台まで釉薬がたっぷりかけられているので、印の姿が非常にわかりにくいです。
六代はいくつかのタイプの印銘が知られており、この梅花以外にも、行書「豊楽」、角に横「豊楽」などがあります。
六代豊介の共箱もついています。