名美アートフェア2019【ブース詳細】
名美アートフェア2019、前田壽仙堂ブースの詳細です。
当店では毎年、郷土美術を広く皆様に親しんでいただけるよう、様々な趣向と切り口で、テーマ展示を行っております。
2017年は「尾張国焼・水指」、2018年は「前津小林村」
そして2019年は…「地下鉄」です(笑)
尾張国焼 × Subway-Line
2019年は名古屋市営地下鉄・1号線、2号線の愛称が「東山線」「名城線」と名づけられてから、50年の節目の年にあたります。これに因んで、今年の展示テーマは「尾張国焼 × Subway-Line」を開催いたします。
…正直に白状しますと、完全にコジツケです(苦笑)
地下鉄ありきで調べてみたら、ちょうど節目の年だったというだけのことです。
題材はなんでもアリなのです。
過去の2回を振り返ってみると…
「茶道具」ではお茶を知らない人には敷居が高い、「地元の街ブラ」ではちょっと先鋭化しすぎたかな…と(特に前津は楽しかったけど、ニッチすぎた)
美術品とは、そもそもある程度の「基礎知識」が求められるので、こういった「敷居の高さ」がどうしても出てしまう。
茶道やってない人でも、歴史に詳しくない人でも、もっともっと郷土の美術を身近に感じてもらおう!
「今の生活に身近な物」と「郷土の美術」を繋ぐのが、地下鉄だったのです。
尾張国焼と地下鉄には何の因果関係もありません
「尾張の国焼で、なんで地下鉄なの?」という、質問が確実に来るであろうということは、もう想定済みです。
別に特に理由はありません。(´・∀・`)
御深井焼と市役所になんらかの因果関係があるとすれば、かつて名古屋城三の丸は行政機関としての役割を持っていた、その名残であのあたりに市役所がつくられた、としか言いよう有りませんし。
勘違いされると困るので、あえてハッキリさせておきます。特に因果関係があるわけではないです…。
単に土地、というよりか座標?としての結びつきだけで、尾張の国焼をご紹介してみよう、という試みなのです。
さらに前置きしておきますと、地下鉄の歴史に関するテーマ展示では御座いません。「鉄ちゃん」の「骨董フリーク」って案外、居そうなのですが…僕自身が鉄道に詳しくないので、今回はそういうの一切無しです。悪しからず。
路線図 × 窯跡
よく美術館で、行政区分の外枠だけの白地図の上に「〇〇焼」とか「●●窯」とか、窯があった場所を示した地図がありますよね。
様々な美術館関係者がこのブログを見ているかもしれない(というか実際見てる)ので、あまり大きな声では言えませんが…
分かりづらいと思いません?「ふーん?」ぐらいでスタスタ行っちゃいますよね?
フォロー入れておくと、窯同士の位置関係とか見ながら、いろいろ相関を考えるのには大切なんですよ?
だいたい古い焼き物の窯跡は山奥にあることが多いので、それを説明するには余分な情報を除いた白地図で十分っちゃあ十分…。
でも窯があった場所を説明するのに、現在のランドマークがあれば、「あの辺りか~」とイメージしやすくなるかもしれない。
尾張国焼はそれができる。
名古屋市は他の地域でも類を見ないほど、市内で焼き物の窯がつくられているのです。
このとき、共通のランドマークとして浮上したのが「地下鉄路線図」でした。
小難しい前提知識がなくとも、「東山線」「名城線」という名古屋の大動脈の位置関係なら、何となーく知ってますよね。
ここに尾張国焼を強引に結びつけたわけです。
「歴史やら技術とか、とりあえず知らなくてもいいから、まずは場所から入ってみよう。」
とっつきやすさ重視、というわけです。
反省を踏まえて、分かりやすく、シンプルに
前回の「前津小林村」も、そういう「身近な美術品」というイメージを狙っていたのですが…。
如何せん、郷土の歴史を掘り下げすぎて、情報多寡な感じに…。
お客さんはキャプション読むのに一生懸命で、中々美術品を見てもらえない…。
これはやっちまったなー、と反省。
今年は路線図と駅名キャプションだけの超シンプルブースにしようかと。焼き物の歴史とか、そういうのは後回し。
当日の展示では、上記の路線図の中に「尾張国焼」がどこで作られていたのかを示す印しを表示します。
「東山線」「名城線」だけでなく、「鶴舞線」まで付け足しちゃいました。せっかくなんで、ついでにやりましょう(笑)
「なぜ桜通線がないんだ!」と憤慨されている方がいるかもしれません…実は1個しかないのです。今回は省かせていただきました。
事前の予習も必要有りませんので、「何やってるんだ、コイツ」と思ったら、お気軽に名古屋美術倶楽部へお越し下さい(笑)