不二見焼蟹籠蓋置
陶器で編み物?
こちらは不二見焼の三世・不二山人、村瀬熊彦による籠蟹蓋置です。
三世・熊彦は不二見焼の初代・美香の子、二世・亮吉の弟。幼少から父の元で作陶を学んでおりましたが、あまり作陶は好まなかった模様。しかし晩年なって周囲の勧めに後押しされ、門前町(大須)の自宅の庭に窯を築いて、制作を始めました。
土を縒り、紐状にしたもので籠目の作品を造り始めたのは三世からで、四世はさらにハイレベルな作品を作っています。
蟹をモチーフにした蓋置は結構あります。蟹そのものだったり、笹と組み合わされた「笹蟹」なんて有名ですよね。こちらは「籠に入ってる蟹」というちょっと変り種。籠目の隙間から顔を覗かす蟹の姿が可愛らしく、涼しげな感じですね。風炉の時期の蓋置としていかがでしょうか。