美術の秋2019
ご無沙汰しております。
「マエダくん…最近、ホームページ更新しとらんねえ」
…そう、言われると…はい、更新します。(苦笑)
勉強部屋はまとまった時間が取れないと、中々ね…難しいんすよ…(;´Д`)
ストックを書き溜めて、ちょこっとずつアップしてたのですが…ストック切れを起こしています。
というわけで…勉強部屋のネタが切れてるときにやることと言えば…
身も蓋もないですが、宣伝です♪
古川美術館分館・爲三郎記念館
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名古屋・池下にある古川美術館、分館の爲三郎記念館で特別展「茶 -祈りと楽しみ- 千宗屋好み興福寺中金堂献茶道具初公開」が10月19日より始まっています。
この展覧会では武者小路千家の家元後嗣千宗屋氏が2018年10月、奈良・興福寺の中金堂落慶法要献茶の際に好んだ茶道具を初公開するとともに、武者小路千家の歴代にまつわる道具を通しての茶道流派「武者小路千家」のご紹介、また献茶道具の製作に携わった現代の作家さんたちにもスポットを当て、道具の展示を通して「過去から現代に続く、様々な茶の湯の形」を見ることができます。
武者小路千家と尾張
実は今回、武者小路千家をご紹介する流れで「武者小路千家と尾張の関わり」にもスポットを当て、当ブログの拙筆の文章より「尾州千家茶道之記」をクローズアップしていただくことになり…「文叔と伊藤道幽」の関係も今回の展覧会でご紹介していただくことになりました。
僕も「尾州千家茶道之記」は翻刻本である「名古屋の茶人大成(著:日比野猛 氏)」でしか読んだことがなく、原本・写本は目にしたことがなかったのですが…。今回の展覧会では写本(明治期の名古屋市による書写本)が展示されております。(さらに古い江戸期の岡谷二珪書写本でないのが惜しいですが…恐らく明治期書写本の方が楷書で読みやすいでしょう)
その書写本には「文叔宗守」の文字がきっちり書かれており、展示でもそのページを見ることができます。
従来の「茶道系譜」などでは真伯の門下として名前を連ねていた伊藤道幽ですが…今回の展示のために書写本の内容を調査した結果、こうした記述が明らかになり、従来の情報が見直されるきっかけとなりました。
道幽、文叔、真伯のそれぞれの生没年から「違和感」を感じた僕の予想は大方当たっていたようで…。
「(御深井焼と違って)今回はミスリードじゃなった」と、ホッとしております。(o´Д`)=з
※今回の展示で深く突っ込んだ考察はこの「道幽と文叔」の関連だけですが…。実は一啜斎、好々斎も尾張との関連を匂わせる事象を検証不十分ながら個人的にフワ~っと掴みかけており、またいずれ、ブログでご紹介できればなあ…とは思っています。ただまあ…いつになるやら。
尾張の町方茶の湯の黎明も…
また「尾州千家茶道之記の関連」として、流儀こそ違えど同世代にあたる尾張の茶人(河村曲全・高田太郎庵・大橋遅松)に関わる展示もあり、そちらも併せて見ていただくと、郷土の茶の湯の歴史もコソッと学べる展覧会でもあります。
武者小路千家のお茶を習っている人はもちろん、それ以外の茶道の流派の方にも見ていただきたい展覧会です。
特別展「茶 -祈りと楽しみ- 千宗屋好み興福寺中金堂献茶道具初公開」
- 場所
- 古川美術館 分館・爲三郎記念館
- 日程
- 2019年10月19日(土) ~ 12月8日(日)
- 時間
- 午前10時 ~ 午後5時(入場は4時30分まで)
- 2館入館券
- 一般 1000円 高校生・大学生 500円 ※小学生・中学生無料
- 分館のみ(呈茶付)
- すべて 700円
- 休館日
- 月曜日 ただし、11月4日(月・振休)は開館、翌日休館