平成最後の1年を振り返る
早いもので、大晦日ですね。
頭の痛い会計処理も終えて…あとは店舗の掃除です。
昨年末は勉強部屋の「キリ」をつけたいが故、駆け足でそっちを仕上げてたので、1年を振り返る余裕がありませんでした。
今年は…どうあがいても来年に持ち越しなので、ここは開き直って今年1年を振り返ってみようと思います。
今後の指針
「掘り起こそう、一樂會」という投稿で、今後の指針を示したのは…実は「釣り餌」の意味もありました。
これだけ膨大な尾張周辺の古陶磁、茶の湯関連の語句を列挙すれば、どこかでインターネットの検索にひっかかり、当ホームページの存在を知っていただけるのかな、と。
実際、検索ワードの履歴を見てみると、何かしら尾張周辺の古美術についての知識を求めてアクセスされたことが分かります。
↑ページ上部の「キーワード検索」を使っていただくと、その履歴を管理者である僕は見ることができるのです。「コメントに残すほどじゃないけど、こんなこと、知りたいなぁ」という人は、ここで検索かけてみると、ささやかな管理者へのメッセージになります(*´ー`)
現在進行形でやってる「御深井焼」以外のキーワードでも検索されてるみたいで…。
数は少ないですが、今後の参考にしたいと思います。(鶴舞焼、戸山焼、大高焼etc…やること一杯あるなぁ…)
やはりニーズに応えていくのがアクセスを増やすコツでしょう。
未だ御深井焼についてのお話に終わりが見えてこず、この一樂會をすべて網羅するのは、長い長い道のりになるような気がしています。
焦らずじっくりやっていきます。
リニューアル
今年10月には店舗が新しくなりました。
以前の店舗があった1階には、ジュエリーショップのBIZOUXさんが入りました。
心なしか壽仙堂の名残を感じます(*´ー`)
インスタではちょこちょこ画像をアップしてますが、ちゃんとした紹介はまだでしたねr(・∀・;)
マンションのエントランスより上がっていきます。
以前のお店より、よりプライベートな感じに…。
オートロック共同玄関を通る必要がありますので、こちら「201」を呼び出してください。
(※事前に電話連絡をいただけるとありがたいです…ノーアポの時に限って、店にいないことが多々あります)
商品を飾る棚も縮小。その場で箱から出して、商品をお見せするスタイルで行きます。
時間と予算の都合で茶室は造れませんでしたが…できるだけ、「実際に使ってる景色に近づけたい」という僕の想いで、メインのテーブルにはユニット畳を置いてみました。
元はこれ、でっかい座卓なんですよ。前の店でも使ってましたが…スツールの高さとの相性がいいんです。
ちょうど、畳の上に正座して、道具を手に取る高さに近いんですよね。
道具を置くときも、木の板より、畳のほうが安心感がありますし。
無計画に有り合わせでセットした割りには、イイ感じに。(^^)v
それと店舗を2階に移転するのを機に、サイトもリニューアルしました。
見やすくしたつもりですが…細部をチェックしたらちゃんと動いてないところ、ありましたねー (´д`;)
いずれ、また直します……相変わらず、詰めが甘いわ…。
いろんな人のいろんな話を聞いて
今年も様々な人、またはモノとの出会いがありました。
中でも、僕の中に深く突き刺さってる出来事がありました。
考古学者と好古楽者
あるイベントに参加したあるお客様が、その感想をウチのお店でお話されていた時の事です。
「もっといい話が聴けると思ったんだけど、なんだか微妙だったね」
例によって、尾張の古陶磁に関連するイベントでしたが、その講演会の内容がイマイチだった、とのこと。
「窯がどこにあった、とか、釉薬はどうだ、とか、いつから生産されていた、とか……そりゃまあ勉強にはなるけど、僕はそういう話を聞きたいんじゃない」
仮にも「美」を名乗るの施設なのだから、「美について、何が良くて、何が良くないのか、語れないのか?」と…いう不満。
僕自身はその話をしていた立場ではないですし、完全に立ち聞きでしたが…とても胸にグサッと刺さりました。
……僕のやってる勉強部屋は、どうもこの頃「考古」に偏りすぎている…のではないか?
「考古」と「好古」は、似て非なるものである、という訓戒を受けた気分でした。
考古がダメ、考古がツマラン、という話ではなく…美に対する自分なりの視点を疎かにしちゃアカン、ということですよね。
基礎知識としての考古は必要だけれど、そこに自分なりの「好古の視点」があってこその美なんじゃないのか?
「資料」を語るなら考古を学ぶ者でもいいが、「美」を語るならば好古を楽しむ者たれ、というような厳しいお言葉にも僕は聞こえました。(僕が勝手に盛り上がって拡大解釈してるだけ、かもしれませんが)
何が良くて、何が美しくて、何が面白くて、何が楽しくて、何が好きなのか。
勉強にかまけて、そういう部分が疎かになっていた気がします。こんなんじゃ、僕は美術商を名乗れませんね。
つくづく自分は未熟者だと思い知らされるばかりです。
来年はもう少し、視点を変えて…いや、視野を広げて…またいろんな情報を発信していけたら、と思います。
2019年も前田壽仙堂をよろしくお願いいたします。
良いお年を。<(_ _)>